解剖学で覚えておきたい事!総論2(細胞分裂について)
今回は細胞周期や細胞分裂についてざっくり説明していきます。
興味ある方はお付き合いください。
間違えている箇所や、ご指摘のポイントがあればコメント宜しくお願いします。
では、まいりましょう。
細胞分裂
細胞分裂は大きく分けて、体細胞分裂と減数分裂に二分されます。
ここでは、体細胞分裂について説明していきます。
※減数分裂については後日予定です。
細胞分裂の流れ
ざっくり説明すると、細胞核内にある染色質が細胞分裂期になると46本(23対)の染色体になり、それが倍の96本になり、二つに分かれるという流れです。※下記が画像参考
細胞周期について
細胞の増殖(細胞分裂)の周期は大きく4時期に分かれます。
G1期 ⇒ 準備期
S期 ⇒ DNA複製期
G2期 ⇒ 準備期
M期 ⇒ 有糸分裂期
この内、G1期~G2期までを間期と呼びます。
有糸分裂について
細胞分裂の際に、核内に染色体や紡錘糸など糸状の物が出現するためにこのように呼ばれています。
前期・中期・後期・終期からなります。
- 前期⇒ 染色体の出現。核小体の消失、中心小体が二分し、細胞の両極へ移動する。
- 中期⇒ 核膜が消失。染色体が赤道面(中央部)に配列する。
- 後期⇒ 染色体が分裂し、それぞれ1倍量の染色体に分かれる。
- 終期⇒ 両極に分かれた染色体が染色質となり、核膜に包まれる。細胞が2個に分かれる。
まとめ
流れは単純、染色体が現れて、染色体数が倍になって、二つに分かれて、細胞が二分化する。
次回は、四大組織についてお話します。
ではまた。
国家試験対策!解剖学で覚えておきたい事の話。
今回は、私が国家試験を受けるまでに勉強した内容を紹介していこうと思います。
全部で何回になるかわかりませんが興味がある方はお付き合いください。
※解剖学に興味がある方や、柔道整復師国家試験対策をしている学生さん向けなのでちょっとわかりずらいかと思いますがご了承ください。
覚えておきたい単語や内容をざっくり説明していきます。
間違っていたらごめんなさい。。
今回は総論1として「細胞」についてのお話です。
細胞小器官
一言に「細胞」といっても、その中には様々な器官があり、いろい色な役割を持っています。それらのことを細胞小器官と呼びます。
細胞膜
細胞を包む膜です。細胞膜は蛋白質と脂質(リン脂質)からなり、リン脂質の二重層膜(外:親水性 内:疎水性)となっています。
また、半透膜という特徴を用いて、物質に対する選択的透過性に関与しています。
細胞膜蛋白質の役割
核
- 球形からなり、核膜により覆われている。また、核膜には核膜孔(核膜小孔)があり、核内外との物質交流に使われる。
- デオキシリボ核酸、通称「DNA」(染色質・染色体)が存在しており、DNAの複製や、RNAの合成を行う。
- 核小体の存在がしており、RNA(リボ核酸)の合成に関与。
DNAの構造の特徴
ヌクレオチド(糖・リン酸・塩基)の鎖状の連なりであり、二重螺旋構造なっている。
RNAの種類と特徴
RNAはDNAと異なり、一本のヌクレオチド鎖となっており、蛋白質合成に関与する。
小胞体
小胞体には、リボゾームが付着していて蛋白質合成の場となる粗面小胞体と、脂質・ステロイドホルモンの合成やカルシウムイオンの貯蔵(筋小胞体)を行うなど細胞により働きの異なる滑面小胞体の二つが存在する。
ゴルジ装置
リボゾームで合成された蛋白質や脂質を濃縮・加工する場。
⇒糖蛋白、糖脂質の合成・分泌(分泌顆粒)の合成。
リソソーム
加水分解酵素を持ち、細胞内の異物等を消化分解する「細胞内消化」の役割を持つ。
ミトコンドリア
酸化的リン酸化(TCAサイクル)や電子伝達系(クエン酸回路)を用いてATP(アデノシン三リン酸)の合成を行う。
※解糖系によるATP合成は細胞質内で行うので注意です。
中心小体
細胞分裂時に働く。⇒紡錘糸により、中央に並んだ染色体を両極に引き寄せる。
細胞骨格
中間径フィラメント、マイクロフィラメント、微小管があり、細胞内の物質移動、細胞携帯保持、細胞運動に関係する。
まとめ
いかがですか?
全く楽しくないでしょう?
解剖学は暗記がメインになります。ただただ、無心で頭に詰め込んだのを思い出します。
では。
チョココロネという食べ方が分かれるパンの話。
チョココロネについて、めんどくさかったので、たくさん情報が載っているため、ネットでいろいろ調べたのでご報告していきたいと思います。
「チョココロネ」の基礎知識
チョココロネの歴史
皆さんご存知のように、チョココロネは日本発祥で、明治時代には存在していたと言われていますが、その起源は明確には記載されていません。
「JBPRESS 食の研究所」によると、昭和の初めころにはしっかりチョココロネの存在が認められています。
1939(昭和14)年刊行の『製パン教程』(糧友会編、糧友会)だった。同書の口絵には、あんパン、バターロール、クリームパン、ジャムパンなどの写真と並んで、<チョコレートスネール>と呼ばれるパンが載っている。名前こそ違うが、紛れもなくチョココロネだ。
~中略~
1949(昭和24)年刊行の『最新各種製パンの秘訣』(締木信太郎著、太洋書院)でも、チョココロネを思わせる記述を見つけた。同書には、あんパン、クリームパン、ジャムパンなどの菓子パン、渦巻きパン(スネーク)は、デンプンを低温で焙焼したものを生地に混ぜると、よい焼き色に仕上がるとコツを書いたうえで、<但し>と付け加えて以下のように記している。
また、チョコレートが日本に渡ってきたのは、江戸時代のこと。当時、海外との貿易が盛んにおこなわれていた長崎に伝わってきたとされています。
1797年3月、長崎にある有名な遊女町、丸山町『寄合町諸事書上控帳』の記録に、遊女大和路が「出島の阿蘭陀人からもらった」という記述がありました。
江戸時代のこの時期から、昭和初期までの間にチョココロネは生まれているんですね。
チョココロネの名前
チョココロネは、その歴史とともに少しずつ名前が変化してきたとされています。
みんな大好き「ヤマザキ」のサイトに名前の由来が記載してありました。
名前の由来は、フランス語で「角(つの)」を意味する「cornet(コルネ)」、もしくは英語の「cornet(コルネット)」という金管楽器にちなんで、という2つの説が有力とされています。どちらにしても、このインパクトのある形から名付けられました。
先ほど紹介した「JBPRESS 食の研究所」によると、1939(昭和14)年刊行の『製パン教程』には「チョコレートスネール」と呼ばれるチョココロネ状のパンが載っているとの事。
さらに、1949(昭和24)年刊行の『最新各種製パンの秘訣』には「コルネツト」としてチョココロネの焼き方が紹介されているとあります。
確かに、多くの方は「チョココロネ」と呼びますが、一定数の方には「チョココルネ」とも呼ばれています。
「チョココルネ」と呼ばれるのはこのころの名残だったんですね。
ちなみに下の画像は、名前の由来とされる「コルネット」です。
トランペットによく似ています。
トランペットよりも歴史が古いそうですが、トランペットに人気が奪われたそうです。
軽快な操作性が好まれて瞬く間に普及し、コルネットとトランペットはオーケストラに多用されるようになりました。しかし次第にトランペットが生き残り、コルネットは吹奏楽などが活躍の場となったそうです。音域はトランペットと全く同じで、音色はトランペットよりもまろやかで柔らかい音が出ます。
【トランペット研究室】vol.7~これってトランペットなの?~ - 島村楽器 大宮店 シマブロ
調べれば調べるほど気になる楽器です。しかし、話題がそれてしまうのでここまでにしておきます。
チョココロネの形の由来
正直、分かりませんでした。
出来上がった形が「角」や「コルネット」に似ていたことから「コロネ」の名前が名付けられたことは間違いなさそうですが、いつ、誰が、何のためにこの形にしたのかは謎です。
知っている方いたら教えてください。
チョココロネの形として、たい焼きのように、「頭」と「尾」に部位分けされます。
一般的には、広がりが大きいほうを「頭」として、小さいほうを「尾」としていることが多いようです。
しかし、どちらが「頭」で、どちらが「尾」というのは明確には定まっておらず、人によって様々です。
「チョココロネ」チョココロネの食べ方
基本的な食べ方
「頭」(チョコが顔を出しているところ)から食べ、「尾」(パンだけのところ)を最後に食べたり、その逆のムーブが一般的です。
最近知ったのですが、チョコクリームの入ってない「尾」の部分をちぎり、「頭」のチョコクリームをつけて食べるというのも一般的らしいです。
確かにこの食べ方だと、思う存分チョコクリームを楽しむことが出来ます。
目からウロコでした。
意外な食べ方
チョココロネの食べ方は十人十色。様々な食べ方をしている人たちがいます。
ご存知「チョココロネアカデミー」さんの事例研究から一例を挙げます。
- チョココロネを縦に切断し、片方を反転させ、どちらにもチョコクリームが付着している状態にする
- 先に中身のクリームをほじくって食べ、それからまわりのパンを食べる
- 「頭」と「尾」を交互に食べる
- パンをほどいて、パンを一本の紐状にして食べる
チョココロネの楽しみ方は無限大ですね。
参考URL
今回、このブログ記事を書く際に参考にさせていただいたサイトです。
多くの方がチョココロネに魅了され、研究されていることがわかりました。
まとめ
皆さんが普段食べているチョココロネは、日本発祥で、歴史も古いことがわかりました。
また、その長い歴史から、様々な食べ方が生まれて、消えていきます。
今日もチョココロネを食べて、張り切っていきましょう。
では。
『おときた接骨院』
好きです!チョココロネ。
筋トレの基礎知識の話。
運動不足解消やダイエット目的、スポーツ中のパフォーマンス向上目的などで筋トレを始める方が多いと思います。
私は仕事柄、患者さんにケガのリハビリや、身体のケアのための筋力トレーニング指導を行っており、筋力トレーニングについて質問されることがあります。
そこで実感したのは、筋トレに関して、間違った知識や、認識を持っている方が多いことです。
筋トレは、間違ったやり方をしていると、効果が半減するばかりか、かえって体のバランスを崩してパフォーマンスの低下や、ケガへつながってしまう事もあります。
今回は、これから筋トレを始める方や、すでにやっている方に押さえておいてほしいポイントをお伝えできればと思います。
筋トレの疑問。
筋トレって必要なの?
そもそも筋トレって必要なの?そんな疑問をお持ちの方もいると思います。
答えはずばり、必要です。
人の体は、利き手、利き足、身体を動かす際の癖、仕事や日常生活の動作など様々な理由で左右非対称になっています。
また、スポーツに多く見られる左右非対称の動作はこのアンバランス差がさらに大きくなります。
このちょっとした体のアンバランス差を放っておくと身体のゆがみが大きくなり、やがては肩や腰、その他の部位に悪い症状として出てきてしまいます。
このアンバランス差を補えるのが筋力トレーニングです。
筋トレはケガの予防にもなる?
スポーツを長く続けていくとケガをすることがあります。
原因は、転んでしまったり、相手とぶつかってしまったりという場合の「外傷」の他に、身体の同じ部分を繰り返し使用し起こる場合の「慢性障害」など様々あります。
これら、スポーツによるケガも、筋力トレーニングをして筋肉を強化することによって、関節の安定性を向上させたり、身体にかかる衝撃を和らげたりして予防することが出来ます。
筋トレって痩せるの?
人は何かを食べて体内にエネルギーを蓄えます。その蓄えたエネルギーを、呼吸、消化、運動など「生きていく」ことによって消費します。
このエネルギー消費で一番大きいのが「筋肉」です。
筋トレで筋肉を付けることによって、基礎代謝などエネルギーを消費する量が増えて、結果的に痩せやすい身体を作ることが出来ます。
筋トレの基本や注意。
土台を作くる。
人によって筋トレをやる目的は違います。
消防士さんのようにムキムキになりたい方、運動不足解消が目的の方、スポーツのパフォーマンス向上が目的の方などなど。
また、筋力トレーニングにはいろいろな考え方や、やり方があります。
目的は違えど、まずは「身体の土台作り」を目標にしましょう。
この土台が無ければ、筋トレはかえって逆効果になります。
家でも何でも、土台がしっかりしていないと、どんなに立派な建物を建てても崩れてしまいます。
「身体の左右バランスを整えたり、基礎体力を作る」これが身体の土台作りです。
身体には前後、左右、内側(インナーマッスル)、外側(アウターマッスル)があります。
腹筋をしたら、背筋もやる。スクワットなどおしりと太ももの前の筋トレをやったら、太ももの後ろの筋トレをやる。
それぞれのバランスを保つことを目指しましょう。
正しいフォームで。
これは、回数や、負荷の強さよりも大事なことです。
一つの関節を動かすために、複数の筋肉が協力して動かしています。
そのため、同じ動作でも少し動かす角度を変えると使用する筋肉が変わってきます。
例えば、「肘を曲げる」この動作も手の平を上に向けるのと、手の甲を上に向けるのとでは使用する筋肉が変わってきます。
無理して負荷をかけすぎたり、回数を増やし過ぎたりして、正しいフォームを保てなくなると、狙っている筋肉を鍛えられなかったり、利き手に頼ってしまったりと左右のアンバランスを増強しかねません。
まだ慣れていない方は、正しいフォームで続けられる回数や負荷を選ぶことが大切です。
動かす範囲。
筋トレは、動かせる範囲全体を使い、出来るだけ大きく動かすことが基本ですが、無理をして関節の可動範囲を超える動きはやめましょう。ケガをします。
また、骨折やねんざなどのケガのリハビリとして筋トレを行う場合は、自力で動かせる範囲で十分効果が出ます。
メニュー決めのポイント。
筋トレの順番は?
筋肉には大きい種類(太もも、胸部など)と小さい種類(肩回り、腕など)があります。
筋トレには複数の関節を動かすもの(腕立て:肩と肘など)と、一つの関節を動かすもの(ダンベルで肘を曲げるなど)とがあります。
- 大きい筋肉を使い、複数の関節を動かすトレーニング。
- 小さい筋肉を使い、複数の関節を動かすトレーニング。
- 大きい筋肉を使い、一つの関節を動かすトレーニング。
- 小さい筋肉を使い、一つの筋肉を動かすトレーニング。
- 姿勢に関与するインナーマッスルのトレーニング。
筋トレの回数と負荷は?
筋トレの速度や呼吸は?
筋トレを行うタイミングは?
時間帯は午後、スポーツの練習の後が望ましいです。
起床してすぐは、身体はもちろん、脳の活動も低下しています。
脳ー神経の伝達が悪いため、大きな力を発揮するには適した時間ではありません。
起床後すぐに行う場合は、あまり負荷をかけない持久力系のとレーニンが適していると言われています。
もし、スポーツと筋トレを同じ日に行う場合は、スポーツの練習後に筋トレを行うのが基本です。
これは、筋トレ後の筋疲労によって、スポーツ練習中のフォームが崩れてしまい、動きに悪い癖を身に着けてしまう恐れがあるからです。
まとめ
ストレッチをより効果的にする「時間」についての話。
今までに何度かストレッチについてこのブログで書いてきました。
今回は、「静的ストレッチ」でより効果を出すための時間について書いていきます。
まずは前回までのおさらいを。
ストレッチのおさらい
ストレッチとは?
緊張している筋肉を意図的に伸ばし、緩めることをストレッチと呼びます。
ストレッチの狙いなどは下の記事を参考にしてください。
ストレッチの種類
大きく分けて二つあります。
動的ストレッチ・・運動前などに行い、パフォーマンス向上を狙い行う。(準備体操)
静的ストレッチ・・運動後のクールダウン。疲労回復効果を狙う。(整理体操)
ストレッチの仕方
簡潔に説明すると、「ストレッチしたい筋肉がどのように身体を動かすか考え、調べる。それと逆の方向へ他動的に動かす。」
これが静的ストレッチの簡単なやり方になります。
例)上腕二頭筋を伸ばしたい。
上腕二頭筋は肘をまげて、腕を前に挙げる動きをします。
ストレッチはその逆の動きをします。
肘を伸ばし、腕を後ろに伸ばします。
この動作を、伸ばしたい方とは逆の手を用いたり、壁や机などを用いて行います。
ポイントは、伸ばす方の腕や足は力を抜いて行うことです。
ストレッチを効果的にするには
回数より時間を意識する
私は、患者さんにストレッチする時は20~30秒は伸ばします。
理由は、整形外科や整骨院などで働き、今までに数千人以上の患者さんの体を診てきた経験から、その時間が一番伸びると実感したからです。
効果的なストレッチの持続時間は20秒以上と言われていますが、文献や論文などにより15秒以上や60秒以上など異なって言われています。
理学療法士協会の論文には下記の様にあります。
ストレッチの持続時間として、20秒~60秒は有効であることが考えられた。今回、20Sと60Sとの効果の差については、男女とも明確にすることはできなかった。これについては、対象者の変更等をして、今後検討が必要と考える。スポーツ現場等でのコンディショニングにおけるストレッチでは、多数の筋肉をストレッチする必要があるため、効果的でかつ短時間であることが望まれる。そのため60秒では長すぎると思われ、一般的に20秒程度を適当としていることは妥当と考える。
これを読んでも最低ラインが20秒以上ですね。
短すぎると効果が薄くなるので、しっかり伸ばしましょう。
姿勢を意識する
「時間」の次は「姿勢」を意識しましょう。
ストレッチの仕方と重複してしまいますが、筋肉は関節を動かしたり、姿勢を維持するために働きます。
一つの関節を動かすために、複数の筋肉が同時に働いています。そのため、少し動かし方を変えると使用する筋肉が少し変わってきます。
「腕を上げる動作」も手の平を上に向けた場合と、手の甲を上に向けた場合では働く筋肉が変わってきます。
正しく狙った筋肉を伸ばしたければ、その筋肉がどのように働いているか知らなければなりません。
少し難しく感じるかもしれませんが、世の中便利です。
筋肉について書かれた本や無料のアプリなどあります。
もっと言えばストレッチの本などもたくさんあります。
どれを参考にしてもいいので、正しい姿勢で伸ばしましょう。
まとめ
・20秒~30秒くらいゆっくり伸ばす。
・正しい姿勢で伸ばす。
・いっそストレッチの本を買いましょ。
怪我無く登りましょう。
では。
テーピングや岩登りの動画。
実はYouTube始めました。
テーピングや岩登りの動画を上げています。
もともと登っている時に動画を取るほうではなかったので、まだまだ少ないです。
これからテーピング方法など含めてこれからアップしていくつもりですのでよろしくお願いします。
肘の内側の痛み(内側上顆炎)のテーピング Taping of medial epicondylitis
ではまた。
クライミングと肩の痛みの話。
クライミングをして肩を痛める方多いと思います。
私自身も痛めた経験があります。
クライミングによる肩の損傷について知る前に、まずは少し肩関節ついて知って、予防やリハビリに役立てばと思います。
これから記事を簡単に説明すると、
肩関節は独特な構造をしている+肩の動きにはいろんな筋肉や骨が関係している→めっちゃ動く=痛めやすい。
こんな感じです。
それを少し難しく、それっぽく書いていきます。
肩関節の動きはとても複雑にできているのでちょっと長くなります。
目次
肩関節の特徴
- 関節を構成している上腕骨の骨頭に対して受け皿である肩甲骨の関節窩が極端に浅い
- 関節にかかわる筋肉が多く、その筋に関節の安定を依存している
- 関節を包む袋(関節包)や関節を補強する靭帯に緩みがある
- 体の表面上に突出していて外からの影響を受けやすい
これらの特徴は、肩関節が他の関節と比べ可動域が広い理由となります。
また、肩関節の可動には肩甲骨と鎖骨の可動も関係しており、これによりさらに可動域が広がっています。
この肩甲骨と鎖骨の関係性を上肢帯と呼び、肩の動きにはなくてはならない存在です。
上腕骨と肩甲骨の関係
通常、肩関節の運動には”肩甲上腕リズム”というものが存在しており、上腕骨が60°以上屈曲(バンザイをする動作)、または、30°以上外転(腕を横に広げる動作)すると、後を追うように肩甲骨も動いていきます。
細かい話をすると、屈曲60°や外転30°からさらに肩を動かす時に上腕骨が2°動いて肩甲骨が1°の計3°動くようになります。(2:1の割合)つまり、肩甲骨の動きが鈍ると上腕骨の動きに制限がかかり肩関節の可動域が狭まります。
事実、肩を痛めている方の多くはこの肩甲上腕リズムの可動比率(通常2:1)に異常が出ています。
肩関節と鎖骨の関係
鎖骨には胸鎖関節と肩鎖関節の二つの関節があり、肩関節の動きとともに前方、後方、上方、前方回転など伴います。
見落とされがちですが、この鎖骨の動きが制限されても肩関節可動域の制限つながってしまいます。
肩の動きにかかわる筋肉
肩の動きには様々な筋肉が関わります。
三角筋、僧帽筋、広背筋、大円筋などなど、例を挙げるときりがありません。
そこで今回は、クライミング中に痛めやすい筋肉と、見落としがちだけど実はとても重要っていう筋肉に重点を当てていきます。
・回旋腱板(ローテーターカフ)
肩関節には回旋腱板と呼ばれるインナーマッスルが存在します。
棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋
これらの四つは肩関節を動かす際に上腕骨が肩甲骨から引き離されないように働きます。
例えば、腕を横に広げる動作(外転)を行います。
この動作ではまず棘上筋が働いて上腕骨と肩甲骨を固定し、腕をわずかに広げます。その後、三角筋などが働き腕は広がっていきます。
棘上筋がなく三角筋のみの作用だと単純に上腕骨を上方に持ち上げるだけになってしまいます。
肩関節の運動において「上腕骨と肩甲骨を固定させる」これがかなり重要となります。
さらに、この棘上筋は座っている時や、歩行している時など肩を動かしていない時も常に腕の重さにより引っ張られて負荷がかかっている状態です。
ストレッチや運動もせず40年~50年間も負荷をかけ続ければ当然痛めてしまいますよね。ってことで四十肩・五十肩の原因になりやすいとされている筋肉です。
青い矢印が三角筋の力が働く向き、赤い矢印が棘上筋の力が働く向き、黄の矢印が三角筋と棘上筋が同時に働いた時の力の向きになっています。
・前鋸筋
前鋸筋は第1~第8肋骨から始まり、肩甲骨内側縁に付着する筋肉です。
主な作用として、左右の肩甲骨間を広げる(肩甲骨外転)、肩甲骨を上方に回旋させることです。
肩甲骨外転(写真左)/ 肩甲骨上方回旋(写真右)
この前鋸筋は肩甲上腕リズムの際に肩甲骨を動かす重要な筋肉の一つになっており、肩を動かしたときに痛みが出たり、可動域の制限を感じた時などこの筋肉がうまく機能してないケースがあります。
原因としては、この筋肉自体を痛めているというよりも、肩関節の他の部位を痛めることにより、筋性防御反応が働き、前鋸筋が緊張してしまうことにあると思われます。
・大円筋と広背筋
大円筋は肩甲骨の下角というところから始まり、上腕骨の小結節という突起に付着しています。
広背筋の起始部はその名前の通り広く、第七胸椎より下の胸腰椎の棘突起・下位肋骨・腸骨稜から始まり、大円筋と同じ上腕骨小結節に付着します。
この大円筋と広背筋は肩関節において同じ作用を持っており、腕を後ろに伸ばす動作(伸展)、脇を閉じる動作(内転)、そして内旋を行う筋肉です。
肩関節内旋
この二つの筋肉は主に懸垂運動などの時にその力を発揮します。
クライミング中だと、体をロックしてスタティックなムーブで作用する筋肉です。
つまり腕を上にあげる動作とは逆に腕を閉じる、または、肩の動きを制御する筋肉というわけです。
これらの筋肉の柔軟性が低下や過緊張を起こすと、肩関節の屈曲や外転などの動作の妨げになってしまいます。
・菱形筋
肩甲骨の内転や下方回旋、肩甲骨の挙上に関与する筋肉です。前鋸筋の逆の作用がある(拮抗筋)と思ってもらえればオッケーです。当然菱形筋の柔軟性の低下などにより肩の屈曲外転などの制限が起こります。
大円筋、広背筋の作用を最大限引き出すためにこの筋肉はとても重要です。
懸垂をするとき、菱形筋で肩甲骨を内転状態で固定→大円筋・広背筋で体を引き上げるっていう流れです。
最低限知っておいたほうが役に立つ筋肉は以上です。
まとめ
- 肩を動かす時、肩甲骨や鎖骨の協力があるからめっちゃ動く。
- 肩を動かす筋肉だけでなく、上肢帯(肩甲骨・鎖骨)を動かす筋肉、肩の動きを制御する筋肉も大事。
ちょっと長くなってしまったので今回はこれで終わりにします。
次は、クライミング中に肩を痛めてしまう動作について書こうかなと思います。
では。
『おときた接骨院』
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