筋トレの基礎知識の話。

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運動不足解消やダイエット目的、スポーツ中のパフォーマンス向上目的などで筋トレを始める方が多いと思います。

私は仕事柄、患者さんにケガのリハビリや、身体のケアのための筋力トレーニング指導を行っており、筋力トレーニングについて質問されることがあります。
そこで実感したのは、筋トレに関して、間違った知識や、認識を持っている方が多いことです。

筋トレは、間違ったやり方をしていると、効果が半減するばかりか、かえって体のバランスを崩してパフォーマンスの低下や、ケガへつながってしまう事もあります。

今回は、これから筋トレを始める方や、すでにやっている方に押さえておいてほしいポイントをお伝えできればと思います。


筋トレの疑問。


筋トレって必要なの?

そもそも筋トレって必要なの?そんな疑問をお持ちの方もいると思います。


答えはずばり、必要です。


人の体は、利き手、利き足、身体を動かす際の癖、仕事や日常生活の動作など様々な理由で左右非対称になっています。
また、スポーツに多く見られる左右非対称の動作はこのアンバランス差がさらに大きくなります。


このちょっとした体のアンバランス差を放っておくと身体のゆがみが大きくなり、やがては肩や腰、その他の部位に悪い症状として出てきてしまいます。


このアンバランス差を補えるのが筋力トレーニングです。


筋トレはケガの予防にもなる?

スポーツを長く続けていくとケガをすることがあります。


原因は、転んでしまったり、相手とぶつかってしまったりという場合の「外傷」の他に、身体の同じ部分を繰り返し使用し起こる場合の「慢性障害」など様々あります。


これら、スポーツによるケガも、筋力トレーニングをして筋肉を強化することによって、関節の安定性を向上させたり、身体にかかる衝撃を和らげたりして予防することが出来ます。


筋トレって痩せるの?

人は何かを食べて体内にエネルギーを蓄えます。その蓄えたエネルギーを、呼吸、消化、運動など「生きていく」ことによって消費します。


このエネルギー消費で一番大きいのが「筋肉」です。


筋トレで筋肉を付けることによって、基礎代謝などエネルギーを消費する量が増えて、結果的に痩せやすい身体を作ることが出来ます。


筋トレの基本や注意。


土台を作くる。


人によって筋トレをやる目的は違います。

消防士さんのようにムキムキになりたい方、運動不足解消が目的の方、スポーツのパフォーマンス向上が目的の方などなど。


また、筋力トレーニングにはいろいろな考え方や、やり方があります。

目的は違えど、まずは「身体の土台作り」を目標にしましょう。

この土台が無ければ、筋トレはかえって逆効果になります。

家でも何でも、土台がしっかりしていないと、どんなに立派な建物を建てても崩れてしまいます。


身体の左右バランスを整えたり、基礎体力を作る」これが身体の土台作りです。

身体には前後、左右、内側(インナーマッスル)、外側(アウターマッスル)があります。


腹筋をしたら、背筋もやる。スクワットなどおしりと太ももの前の筋トレをやったら、太ももの後ろの筋トレをやる。


それぞれのバランスを保つことを目指しましょう。


正しいフォームで。


これは、回数や、負荷の強さよりも大事なことです。

 

一つの関節を動かすために、複数の筋肉が協力して動かしています

そのため、同じ動作でも少し動かす角度を変えると使用する筋肉が変わってきます。


例えば、「肘を曲げる」この動作も手の平を上に向けるのと、手の甲を上に向けるのとでは使用する筋肉が変わってきます。

 

無理して負荷をかけすぎたり、回数を増やし過ぎたりして、正しいフォームを保てなくなると、狙っている筋肉を鍛えられなかったり、利き手に頼ってしまったりと左右のアンバランスを増強しかねません。
まだ慣れていない方は、正しいフォームで続けられる回数や負荷を選ぶことが大切です。

動かす範囲。

筋トレは、動かせる範囲全体を使い、出来るだけ大きく動かすことが基本ですが、無理をして関節の可動範囲を超える動きはやめましょう。ケガをします。

また、骨折やねんざなどのケガのリハビリとして筋トレを行う場合は、自力で動かせる範囲で十分効果が出ます。


メニュー決めのポイント。


筋トレの順番は?


筋肉には大きい種類(太もも、胸部など)と小さい種類(肩回り、腕など)があります。
筋トレには複数の関節を動かすもの(腕立て:肩と肘など)と、一つの関節を動かすもの(ダンベルで肘を曲げるなど)とがあります。

 
優先順位は以下のようになります。
  1. 大きい筋肉を使い、複数の関節を動かすトレーニング。
  2. 小さい筋肉を使い、複数の関節を動かすトレーニング。
  3. 大きい筋肉を使い、一つの関節を動かすトレーニング。
  4. 小さい筋肉を使い、一つの筋肉を動かすトレーニング。
  5. 姿勢に関与するインナーマッスルのトレーニング。
 
上記の理由として、小さな筋肉が疲労してしまうと、大きな筋肉を十分にトレーニングできないためです。
また、複数の関節を動かすトレーニングを行うことで、メインとする筋肉以外にも刺激が加わるために、複数の筋肉を同時にトレーニングできるためです。
さらに、姿勢維持に関係するインナーマッスルはトレーニングの最後に行うようにしましょう。これらのインナーマッスル疲労してしまうと、トレーニング中に正しい姿勢を維持できなくなってしまい、筋トレの効果が薄れてしまう恐れがあるからです。
 

筋トレの回数と負荷は?

 
筋力トレーニングは、やればやっただけ効果があるというわけではありません。
体力的に無理をすればトレーニング中にフォームや呼吸が乱れ、正しい筋力強化につながりません。
 
初心者の方は、正しいフォームが保てなくなるまでの回数を限度としましょう。
 
負荷としては、10回くらい繰り返しでできるくらいにしましょう。
 
また、一つのトレーニングを終えた後に、2分程休憩し、また同じトレーニングをするとより効果が出ます。
 
よく、「筋トレは週何回やればいいの?毎日?」という質問をされます。
 
毎日行う必要ありません。週に2~3回程度が理想です。
 
筋力トレーニングを行うと、筋肉が微細な損傷を受けます。その損傷が回復するのが2日程度かかると言われています。
毎日筋トレを行うと回復が間に合わず、十分な筋トレ効果が生まれません。
 
まとめます。
 
  • 回数は正しいフォームが保てなくなるまで。
  • 負荷は10回くらい繰り返しできるくらい。
  • レーニング→2分程休憩→トレーニングを2セット程やる。
  • 週に2~3回程度行う。
 

筋トレの速度や呼吸は?

 
速度は目的によって異なります。
 
一般的には、フォームや身体の土台作りにはゆっくり行います。
例えば、ダンベルを用いたトレーニングは、1度の動作に2~3秒かけて一定のスピードでゆっくり行いましょう。
 
スポーツ時の瞬発力やパワーを発揮するのが目的の場合は素早く行うことが好ましいです。
例えば、ダンベルを用いたトレーニングは、1度の動作に1~2秒ほどで素早く行います。
 
また、呼吸も筋トレには大事な要素です。呼吸方法を意識することでより効率を上げることが出来ます。
基本的には力を発揮するときに息を吐くようにしましょう。
 
絶対に行っていけないのは呼吸を止めることです
呼吸を止めて筋トレすることにより、脳血管や心臓への負担が高まり、最悪のケースだとそこの損傷を起こすことがあります。
 
鼻から吸って、口から吐くような深い呼吸を意識しましょう。

筋トレを行うタイミングは?

時間帯は午後、スポーツの練習の後が望ましいです。

起床してすぐは、身体はもちろん、脳の活動も低下しています。

脳ー神経の伝達が悪いため、大きな力を発揮するには適した時間ではありません。

起床後すぐに行う場合は、あまり負荷をかけない持久力系のとレーニンが適していると言われています。

 

もし、スポーツと筋トレを同じ日に行う場合は、スポーツの練習後に筋トレを行うのが基本です。

これは、筋トレ後の筋疲労によって、スポーツ練習中のフォームが崩れてしまい、動きに悪い癖を身に着けてしまう恐れがあるからです。

まとめ

 
筋力トレーニングは目的によって、やる種目や、回数、負荷などは異なります。
しかし、まずは自分の体の土台作りに専念することをお勧めします。
土台がしっかり身についた後に、次の段階に進む方が、無理なく、ケガ無く続けられます。
焦らず、パーフェクトボディ目指しましょう。
 
では。
 
 
 
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