クライミングによる指の変形とその予防の話。

ライミングをしていて一度は悩まされるのが指のトラブルです。

指先に自身の体重のほとんどを預けるため当然といえば当然ですね。

指皮の痛みはもちろん、腱の痛みや、靭帯の痛みなど原因は様々です。

 

 長年クライミングをしてる方の指は変形している事が多く、伸びない・曲がらない方が多いです。

 

 

何故クライマー達の指は変形し可動域制限が起こるのか?

 

これも原因は様々ありますが、一般的な例を挙げると以下のものがあります。

骨へ牽引力が働き骨棘が生じ変形する。

骨は骨膜に包まれており、骨膜に刺激が加わる事により成長します。その為、必要以上の刺激によりその部分が過成長し、骨自体が変形してしまう。

御年配の方の指が変形してるあれ。ブシャール、へバーデンなんて呼ばれてる手指の変形。

  痛みによる可動域の低下。

筋肉、腱、靭帯などの炎症により痛みが発生。

また、骨に損傷(骨折、ヒビ、骨挫傷など)がある場合も。

単純に、「動かす→痛い→動かさない」。

 屈筋と伸筋のバランス崩壊による可動域の低下。

ライミングは握る、掴む 動作がほとんどです。

この物を把持する動作は指を曲げ、手首を内側に捻る筋肉を多く使用します(屈筋群)。逆に言えば、指を伸ばし、手首を外側に返す筋肉はあまり使用しません(伸筋群)。

曲げる筋肉↑↑↑に対し、伸ばす筋肉↑くらいでしょうか。

こうなると当然ベクトルは曲げる方へ向きます。

伸ばそうとしても曲げる筋肉が発達し過ぎて邪魔をしてる状態です。

 軟部組織(靭帯、腱、腱鞘、関節包など)どうしが癒着し変形する。

軟部組織の痛みや緊張し過ぎた筋肉により、適正に関節を動かせなくなる。

また、刺激を受け軟部組織が硬く腫れあがり、本来の可動性が低下する。

動かさない組織はやがてくっついてしまいし、柔軟性の低下や皮膚下での滑りが悪くなってしまいます。


骨折などで長いことギブスで固定して、除去して直ぐには動かないあれに近いです。 

 

 ざっと例を挙げると可動域低下、関節の変形の原因は以上の事が言えます。

 

それぞれの場合、治るのか、そのための予防や適正可動域の回復にはどうすればいいか?

 

骨棘が原因の変形の場合。

残念ながら骨自体の変形の場合、自然治癒は難しいと思います。

ただし、一般的に変形が完全に完成してしまうと痛みも消失するケースが多いです。

骨の変形が起こる前に予防としてストレッチ、アイシングなどのクライミング後のアフターケアが大切です。

 痛みが原因の場合。

単純に痛みが原因の場合は治ります。
適度なレストやアイシングなどのアフターケアが必須です。

筋肉のバランスが原因の場合。

時間がかかるかもしれませんが治ります。
屈筋のストレッチ、セラバンドなどを用いた伸筋の筋力強化を行いましょう。
屈筋と伸筋のアンバランスが解消され、適正な筋肉バランスに戻れば解決です。
これも普段からのアフターケアが大切ですね。

 軟部組織の癒着が原因の変形の場合。

変形の軽減を望める場合が多いと思います。

厳密に言えば、肥厚してしまった組織を元の状態に戻すのは難しいですが、癒着を引き剥がし、組織間や表皮下での滑りを戻してあげれば関節可動域は向上します。

 

「癒着して可動域が低下した組織のマッサージ法及び可動域訓練」

一例として私が行なっているリハビリを紹介します。

注意事項として痛み、熱感がある場合は禁忌です。痛みが増強した場合は中止してください。

適応の判断として痛み(安静時、可動時)が無いがまっすぐ伸びない、最後まで曲がらない場合。

 全てなるべく温めた状態で行う方が効果があります。

また、マッサージや可動域訓練後に痛みが生じた場合アイシングしてください。

 

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力はあまり入れず、肥厚して硬くなってる箇所を撫でるように動かす。

 

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軽く圧を加え関節を動かす。

 

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指を反らせ指腹側を伸ばす。

 

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空いている手を用いて、自力で曲げられる以上に曲げる。

 

 まとめ

ライミングに限らず、どんなスポーツでも痛みの出現は身体からのサインです。

 レストすれば軽減する場合がほとんどですが、休めば治るなんて当たり前です。

大切なのは痛めた原因を知り、動作やフォームなどの改善をすることです。

 痛みの原因をしっかり特定した上で、適切なリハビリを行うことで治りの早さや治り方が変わってきます。

そのため、痛みや違和感を感じたら自分で対処するよりも、まずは専門機関への受診をお勧めします。

痛んでから治すよりも、痛まないように日々のケアを心がけてみましょう。

 

では。

 

 『おときた接骨院
東武東上線上板橋駅」南口、北口より徒歩五分
板橋区東新町1-17-11

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